解決実績

2024/12/17解決実績

投資顧問報酬のクーリングオフによる取戻し

当事務所が原告代理人を務め、投資顧問業者を訴えた2件の訴訟がいずれも勝訴的な和解で終了し、和解金が支払われました。

事案はいずれも、投資顧問契約に基づく投資助言に従った株式投資により、多額の投資損を被ったというものです(投資期間は、コロナ明けで日経平均が基本的に右肩上がりの時期だったにも拘らずです)。うち1件は、運用資産の約3分の1に相当する多額の投資顧問報酬を支払わせており悪質とも言えるものでした。

事案毎に事情は違うものの、当事務所は、適合性の原則違反、広告規制違反(虚偽の広告)、その他の金融商品取引法(金商法)の行為規制の違反等による不法行為に基づく損害賠償請求のほか、クーリングオフに基づく投資顧問報酬の返還を求めました。

金商法は、投資顧問契約に関しては、契約締結時交付書面の「適法な」交付から10日間、クーリングオフを認めています。本件は、いずれも、書面の物理的な交付に代えて、電磁的方法による交付がなされたとの主張が被告らからなされた事案でした。しかし、金商法の電磁的交付の要件は極めて厳格で、これを遵守することは容易ではないことを、前職の経験から知っていました。そこで、当事務所は、被告投資顧問業者らのHP、原告との電子メールのやり取り等を詳細に検討した上で、金商法の電磁的交付の要件が全て遵守されていたわけではないと判断しました。電磁的交付の要件が満たされていない場合には、10日間のクーリングオフの起算が始まりません。本件の場合、投資顧問契約の締結から2年以上経過したものもありましたが、クーリングオフが可能となるのです。

裁判では、クーリングオフについては、金商法の要件及びその解釈を論じ、被告らの交付が適法なものではないことを丁寧に論じました。その結果、いずれの事案も、クーリングオフが成立するという裁判所の心証に基づく勝訴的な和解が成立し、クライアントはいずれも投資顧問報酬の8割程度を取り戻すことができました。

これらの事案は、いずれも他の法律事務所から難しいとの意見をもらった依頼者が当事務所を頼ってきたものでした。当事務所は、難解な法律に関する案件でも、諦めることなく、お客様のためにベストを尽くしていきたいと思います。

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