コラム・雑感

2022/04/11コラム・雑感解決実績

海外にある財産の相続

相続が開始し、相続財産に海外金融機関に対する預金等の在外資産が含まれる場合、以下の理由により、その取戻しは容易ではありません。

  1. 海外の多くの金融機関は在日拠点を有していますが、個人向けサービスを提供している金融機関はほとんどないため、やり取りは本国と直接行う必要があります。
  2. 戸籍、遺言等を含め、法体系が異なるため、金融機関が求める書類を出せるわけではなく、日本の法体系・実務の説明を含めた交渉が必要であり、提出書類に訳文を付す必要があります。
  3. 英米法系の国(アメリカ、イギリス、シンガポール、香港など)においては、Probateと呼ばれる裁判所による一種の検認手続きを経ることが求められ、その多くの場合には、現地の弁護士の起用が必要となります。この場合、相続財産の額によっては、費用倒れになることもありえます。

当事務所でも、被相続人が遺した英国の銀行及び生命保険会社からの手紙といった限られた情報を元に相続財産調査を行い、金融機関との協議・交渉を経て、つい先日、国内に相続財産を取り戻すお手伝いをできた事例があります。このように、当事務所は、やっかいな海外相続案件についても積極的に取り組んでまいります。また、現地法律事務所との連携もできますので、お問い合わせください。

なお、難しい問題を避けるためには、遺言の作成をはじめ、資産承継のプラニングを開始した段階で、海外資産をある程度処分する、Probateを避けるために口座を推定相続人とのJoint accountに変更するなどの事前の準備が重要と思われます。当事務所ではこのようなご相談に乗ることも可能です。

 

 

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